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家族や友人など身近な誰かから「死にたい」「自殺したい」と言われたら、あなたならどうしますか。
そんなことを言われたら誰だってショックを受けます。
そして、どうしたらいいのか不安になります。

このページでは大切な人から「死にたい気持ち」を打ち明けられたときの支え方をお伝えします。

自殺したいと言われたら

自殺したい気持ちを打ち明けられたら不安になってしまうものです。
不安な気持ちがふくらんで動揺してしまうのも無理もありません。

でも、「死にたい気持ち」にとらわれた大切な人の適切な支え方があります。
安心してください。

まずは何回か深呼吸をして、
気持ちを落ち着けましょう。

それから以下の「5つのすること」「5つのしないこと」を参考に、
本人を支えてあげてください。

死にたいと言われた時の対処法一覧
◯ 5つのすること × 5つのしないこと

※クリックすると詳しい説明に移動します

5つのすること

1.聴き役に徹する

本人が死にたい気持ちを話し始めたら、
「死にたいなんて、どうしたの?」
と話を聴きましょう。

自殺の予防にはまず、話を聴くことです。

それも、3時間くらいは話を聴くつもりでいましょう。

自分も不安な気持ちが湧いてきますが、
それはひとまず置いておきます。

時間がないときは、次に話を聴ける時間を本人に伝え、
その時間に話してくれるよう必ず約束してください。

自分はいらない人間だ、
自分なんかいない方が皆が幸せになれるとか、
もう死ぬしかないだとか。
そんな話を聴き続けることは聴く方だって辛いものです。

しかし、それでも、話さないまま死んで欲しくない。
どうか話をしてほしいと、伝えましょう。

なぜなら、話を聴いてもらうことそのもので、本人が癒やされるからです。

本人の「死にたい」という言葉はSOSのメッセージです。
SOSのメッセージを受け取ってもらえれば、本人の心に安心が広がります。

SOSを受け取るにはひたすら共感してください。

それはつらいよね。
苦しいんだね。
悲しいんだね。

苦しさが伝われば伝わるほど本人の気持ちが楽になります。

自分のことをわかってくれる味方がいる。
その安心感が生きる意欲につながっていくのです。

とにかく会話を続けることです。

死にたい気持ちは波のように現れては消えていきます。
話をじっくり聴き続けることは、死にたい気持ちの波を一緒に乗り越える時間を稼ぐことにもつながります。

2.生きてほしいというメッセージを伝える

話を聴くときは、ただひたすら共感し、耳を傾けることが基本です。
そのうえで、一つだけ伝えてほしいことがあります。

それは「あなたに生きていてほしい」「死んでほしくない」ということです。

絶対に死んでほしくないよ。
でも今は死にたいくらいのつらさなんだね。
何でも話してね。
話せば少しは楽になるかもしれないよ。

そんなふうに、生きてほしいというメッセージを伝えてください。

死にたい気持ちを持ったとき、同時に孤独感に苛まれます。
このメッセージは、その孤独感を癒やしてくれます。

3.見守る

話をじっくりと聴き、一度は死にたい気持ちの波を越えました。
しかし、しばらくすると、また死にたい気持ちの波がやってくる可能性があります。

したがって、命を落とすようなことをしないか、行動を見守る必要があります。

家族でしたらしばらく一緒に過ごしてあげましょう。
一緒にいる時間を増やし、本人が話したいときだけ聴いてあげられるようにしてください。

自分だけで続けるのが難しければ、
親戚に声をかけたりして、
本人を見守るネットワークを作りましょう。

できれば次に挙げる精神科の受診をし、
医師もネットワークに含めてください。

4.精神科を一緒に受診する

「死にたい気持ち」は典型的なうつの症状です。
死にたい気持ちを訴えてきた場合は、うつの可能性を疑ってみてください。

うつにかかっている方の中には、自分の苦しさを隠そうとする方もいらっしゃいます。
そのため、急に「死にたい」と言い始めるまで周りがうつに気づかないこともあります。

ですから本人の話を十分聴いたあとに精神科の受診をおすすめします。

死にたい気持ちはうつの症状ですから、うつが治療されれば、その気持も消えていきます。

参考)ベックうつ病調査票(BDI)・・・うつ状態の重さを評価できます

とはいえ、死にたい気持ちを持った本人は、かんたんには受診してくれないかもしれません。
そんなときは下記のコツを試してみてください。

  • あなたは「いつものあなたではない」ことを伝える
  • 疲労が極限に達すると、誰でも死にたい気持ちが現れてくることを伝える
    参考)うつの症状と原因
  • 医師のもとで適切に治療し、休養をとれば本来の自分自身に戻れることを伝える
  • 今抱えている問題は、元気になってから考えてもよいことを伝える

本人が受診を承諾したら、原則として家族の方も一緒に付き添ってください。
受診の際に、客観的に見て心配なこと、気になっていたことを医師に伝えてください。

このあと本人が落ち着いたとしても必ず受診してください。医師の診断を受けることは、本人にとっても支える側にとっても大切なことです。

5.自分の心を守る

つらい話を聴き続けると、聴いているこちらもつらくなります。
つらくなりすぎて、自分が強さや冷静さを失ってしまうと、本人を助けることも難しくなってしまいます。

ですから、まずは自分の心をしっかりと守ることを第一に考えてください。
できる範囲で支えるということを忘れないようにしてください。

自殺の話は、自分ひとりだけで抱え込むにはあまりに大きすぎます。
その場ではしっかり話を聴き、相手の信頼を裏切らないようにする必要があります。
その後は自分を守るために、誰かの手を借りましょう。

信頼できる他の人とその問題を共有しましょう。

自分を守ることが、相手を継続的に支えることにつながるのです。

いかがでしょうか。
ここまでが死にたいと言われたときの支え方です。

次は支えるときにありがちな、「やってはいけないこと」です。

5つのしないこと

死にたい気持ちを打ち明けられると、
問題の重さに圧倒されて、
自分が不安になってしまいますよね。

その不安を解消したくて、
つい、問題解決に走ってしまいがち。

対処法を知らなければ仕方のないことですが、
一方的な問題解決は本人を傷つけたり、苦しめたりします。

少なくとも今以上に本人を苦しめないよう、
やってはいけないことについて覚えておいてください。

死にたい気持ちの裏には「うつ」が潜んでいる可能性があります。
うつの場合、本人の訴える問題をいくら解決しても、次々と死にたい理由が現れてきます。
目の前の問題解決は後回しにして、苦しい気持ちの理解に努めましょう。

1.否定しない

死にたい気持ちを否定して、「死んだら悲しむ人がいる(家族など)から、死んだらダメだ」と言ってはいけません。
裏を返すと「悲しむ人がいなければ死んでもいい」と言っているようなものです。
代わりに「私はあなたに死んでほしくない」というメッセージを込めて、じっくりと聴き役に徹してください。

また、本人の悩みを「かんたん」に解決するような発言も控えてください。
本人の悩みの重さは本人にしかわからないものです。
その重さをわかってあげることが大切です。

2.励ましや説教をしない

話を聴いているうちに、本人のつらい気持ちをどうにか軽くしたくなります。
そこでつい自分の経験や正論を持ちだして解決策を伝えたくなるものです。

しかし、ここではぐっと我慢してください。
本人には解決した気持ちはありますが、
解決のためのエネルギーが不足しているのです。

前向きにしようと励ましたり説教を始めたとき、
本人は「この人も私の気持ちをわかってくれない」
会話を終えてしまうでしょう。

説教は元気な人には効果があるかもしれませんが、
死にたいほどにエネルギーが不足している相手には効果がありません。

それどころか、より孤独を感じさせて悪化する可能性があります。

3.反論しない

本人の話を聴くと元気な人にとってはかんたんなことで悩んでいるように感じるかもしれません。
しかし、それは元気な人の感じ方です。

本人は自分の考え方や感じ方について罪の意識を覚えていることがあります。
反論されると余計に罪の意識が深くなってしまいます。

例えば本人から「職場のみんなが口をきいてくれない。」と言われたとします。

そのとき「そんなことあるわけないじゃない。気のせいだよ」などと反論してはいけません。

「職場のみんなが口をきいてくれないの。それはつらいよね。」とつらい気持ちを受け止めましょう。

「死にたい気持ち」も反論したくなりますが、ぐっと我慢してください。
そして、死にたいほどのつらい気持ちを受け止めてあげることです。

本人は話すことで今の感じ方や気持ちを伝えてくれています。
その感じ方や気持ちを反論で否定せず、素直に受け止めてください。

4.解釈しない

人生は山あり谷ありです。
今、不幸と感じることでも、長い目で見ると意味が感じられるものです。
だからと言って、それを本人に伝えてはいけません。

なぜなら、意味を考えることは多少でも元気でないとできないからです。
死にたい気持ちを持っているときは、そんなことをしたくありません。

今の出来事を別の解釈をして伝え返すこと(リフレーミングと言います)も、
元気な人にとっては考えるきっかけになります。
しかし、これも同様に考える余裕がないと受け入れられません。

解釈することには「考え方を変えろ」というメッセージが含まれています。
考えを変えるほどの余裕がないと、本人には受け入れられないことを覚えておきましょう。

5.無理強いしない

話を聴き、本人のつらい気持ちを素直に受け止めることを述べてきました。
それがわかったら、話を聴きだしたくなるかもしれません。

しかし、何かを無理強いされることは、本人にとって負担に感じます。

ですから、相手が話したければじっくりと聴けばよいですし、
話したくなければそのまま一緒にいるだけで十分です。

「私はあなたの話を聴きたい」というメッセージを伝えて、あとは本人に任せましょう。

死にたい気持ちを聴くときは次の3つを頭に置いておくとよいでしょう。
1.味方になること
2.共感しながら聴くこと
3.負担をかけないこと

以上、死にたい気持ちを打ち明けられたときの支え方を紹介しました。
もしわからない点、気になる点がございましたら、遠慮無くご連絡ください。
当相談室もあなたを支える力になれます。

繰り返しますが、死にたい気持ちを持った方の支援はひとりで抱え込むには大きな問題です。
できる範囲の支援と、誰かに相談することを忘れないようにしてください。

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