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こんにちは。カウンセラーの西です。
あなたは最近、強いストレスを感じたことはないでしょうか。
現代はストレス社会と呼ばれているほどストレスを感じている人は多いです。

「~ストレスチェック義務化法案にともなう~働く男女1,000人ストレス実態調査」(マクロミル, 2014年10月30日)によると、なんと働く男女の84%がストレスを感じていて、そのうち45%が毎日ストレスを感じているそうです。

ストレスがある方がないよりも幸福度が高い、という統計があるそうですが、これではちょっとストレスを抱えすぎですよね。

ストレスを抱えてしまうと

  • 胸のあたりが苦しくなったり、お腹や背中が痛くなったりする
  • 夜中に目覚めてしまい、寝不足のまま忌々しい気分で出社する
  • 悪い考えで頭がいっぱいになって集中できない
  • イライラや不安でいろいろなことが楽しめなくなる

などなど、つらい思いをしながら日々自分をすり減らす感じになります。
しまいには疲れきって身体も心も傷ついてしまいますよね。
これは本当にキツい。

実はそのようなストレスの影響を自分でコントロールして楽になる方法がいくつかあります。
今回はストレスのセルフコントロール法の中でもかんたんで、すぐにはじめられる2つの呼吸法を紹介します。

戦術的呼吸法(フォーカウントメソッド)

デーブ・グロスマン&ローレン・W・クリステンセン共著の『「戦争」の心理学』で紹介されている呼吸法です。
難しそうな名前ですがやることはかんたんです。

もともと警察官や兵士が戦闘の緊張状態の中、頭が真っ白になったり、判断能力を著しく損なった状態になることを防ぐ手段として紹介されています。
著者はこの戦術的呼吸法について、グリーンベレー隊員や連邦捜査官のほか、手術中に微細運動が必要な外科医や試験不安に苦しむ学生などにも教えています。

私自身も緊張によって胸が苦しくなったり、ストレスの多い悩みやイライラで頭がぐるぐるしたときなどに助けられています。

試しに自転車トレーニング用の心拍計をつけてこの呼吸を実践してみると、本当に心拍数が下がるのが確認できます。心拍数が下がると同時に頭のなかが静まり返った水面のように冷静になります

それでは具体的なやり方を引用してみます。

やり方

フォーカウントメソッド(四つ数える方法)

まず、ゆっくり四つ数えながら鼻から息を吸い、腹を風船のように膨らませる。そこで息を止めて四つ数え、またゆっくり四つ数えながら今度は口から息を吐き、空気の抜けた風船のように腹をへこませる。息を吐ききったところで、息を止めてまた四つ数えたら、この手順をまた最初から繰り返す。これだけだ。
一度やりかたを覚えたら、後は自分の身体と相談して修正していけば良い。たとえば、五秒ずつかけたほうが自分には合っているとか、望ましい効果をあげるには五回くりかえさなくてはならないと築くこともあるだろう。それはそれでかまわない。チューニングのつまみをまわし調節するようなものだ。つまみを持って、自分にぴったりのレベルに「ダイヤル」を合わせていけばいいのである。

(デーブグロスマン&ローレン・W・クリステンセン共著『「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム』2008年3月5日初版)

鼻から息を吸って、口から息を吐く。
吸って、止めて、吐いて、止めてを4秒ずつ行ない、これを繰り返す

という実にシンプルな方法です。

個人的なコツとしては、息を止めるときに力を入れない方がよりリラックスできます。
吸ったら吸ったまま止まる、吐いたら吐いたまま止まるという感じです。

引用文ような腹式呼吸が難しいという人は、腹式呼吸にこだわらずにやってみてください。

4-7-8呼吸法

アリゾナ大学医学校の診療教授であり、人間の自然治癒力を引き出す統合医療を提唱するアンドルー・ワイル博士が考案した呼吸法です。

ストレスや不安があってもすばやく眠りにつく呼吸法として紹介されています。

やり方

やり方はシンプルです。4秒かけて鼻から息を吸い、7秒間息を止める、それから8秒かけて口から息を吐くだけです。

ストレスや不安を感じているとき、アドレナリンが静脈を循環し心拍が早くなることで、呼吸は早く浅くなります。呼吸が非常に浅く短くなっているときに7秒間息を止め、その後8秒かけて息を吐くと、体は心拍を緩やかするしかなくなります。そのため、この呼吸法には鎮静剤と似たような効果があります。息を止めて、それからゆっくりと8秒かけて意識的に息を吐くことで、連鎖反応が起こります。ゴールラインまで一目散に全力疾走した後に、ゆっくり、楽しみながら、落ち着いて公園を散歩するようなものです。

(引用元:医学博士が教える、1分で眠るためのリラックス呼吸法 | ライフハッカー[日本版])

鼻から息を吸って、口から息を吐くのは戦術的呼吸法と同様です。

異なるのは呼吸のリズムで、こちらは4秒吸い、7秒止め、8秒吐く、という風に止めから吐くまでが長くなっています。

個人的にはこちらの方が鎮静効果が高いと感じました。
ただ、呼吸を止めている時間がやや長く複雑なので、活動中の突発的なストレスに対応するのにはやや訓練が必要です。
引用元の記事のように眠るときに使うと良いでしょう。

呼吸をコントロールすることで、自律神経系をコントロールする

2つの呼吸法がなぜストレスコントロールに役立つのか、かんたんに理屈を説明します。
やり方だけわかれば良いという方は読み飛ばしてかまいません。

私たちの身体は意識的に動かせる部分と、意識的にコントロールできない部分がありますよね。

手足のように意識的に動かせる部分を体性神経系と言います。
一方、汗をかいたり心臓を動かしたり、意識的に動かせない部分を自律神経系と言います。

自律神経系はさらに交感神経と副交感神経の2つに分けられます。
交感神経は身体を活発にさせ、「闘争と逃走の神経」と呼ばれる原始的な反応を引き起こすものです。
副交感神経はその逆で、気分を落ち着かせたり、身体を休めたり睡眠時などに働きます。

ストレスを感じるとき、脳は危険が近くにあると感じて交感神経の働きが活発になります。
このとき自律神経をコントロールし、副交感神経を働かせればストレスの感じ方を変えられます。

そこで呼吸法が登場します。

呼吸は自律神経系と体性神経系の2つに結びついている数少ない活動の一つです。
(他にもまばたきがあります)

強いストレスを感じているとき、息が浅くなったり、息を止めていることがありますよね。
これは交感神経が自動的に引き起こした反応です。

ここで呼吸法を用いて、さもリラックスしているように呼吸の速度をゆるめることで、強制的に副交感神経を優位にしていきます。
こうして、ストレスによる反応を少しずつ弱めていけるのです。

まとめ

  • ストレスの感じ方は呼吸によってコントロールできる
  • 呼吸の際は鼻から吸って、口から吐く
  • 活動中に気持ちを落ち着かせたいときは「戦術的呼吸法(フォーカウントメソッド)」で
  • 休息や睡眠などでよりリラックスしたいときは「4‐7-8呼吸法」で

呼吸を上手にコントロールして、ストレスの多い日常を乗り切りましょう。

当相談室では面談の際に呼吸法の練習を実施しています。
ストレスコントロールに興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

西たかお

心理カウンセラー/瞑想ファシリテーター/感情ケアプログラム指導者/キャリアコンサルタント/自分がうつになった経験から心理職の道へ。家庭や育児の悩み、大切な人を亡くした悲しみ、ペットロス、うつ、事故や災害の後のつらい症状、ひきこもり、非行からの立ち直り、人間関係の悩みなど、さまざまな心の痛みと悩みに対処するカウンセリングを行っています。

今すぐ始めるストレスマネジメント – 動と静で使い分ける2つの呼吸法
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