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みなさんは「過労死」が日本特有の言葉であることをご存知でしょうか。
過労死は「Karoshi」として2001年にOxford Engilish DIctionaryに採用され、kaki(柿)と同じように日本産であると記されたそうです。
現代日本に起こる過労死、父親の粗大ゴミ化、女性の育児不安といった問題をどう解決していくか。
聖徳大学心理教育相談所主催の講演会『少子高齢化社会と子どもの育ち・おとなの発達 ワークライフバランスはなぜ重要か』がたいへん興味深い内容でしたので私なりにまとめてみました。

講師は東京女子大学名誉教授、教育学博士の柏木惠子先生です。
現代社会に生きるおとなの成長について発達心理学の知見や様々な研究成果から展開していき、現代人に必要な発達とは何かを示す内容でした。

ちなみに、過労死についてはWikiにも出ています。

今では「KAROSHI」は英語の辞書や他言語の辞書にも掲載されている。2002年には、オックスフォード英語辞典にも掲載された。これは過労死が日本の労働環境を表すと同時に、日本以外の世界にも広がっている働きすぎに起因する健康破壊を端的に表す言葉になってきたことである

過労死 – Wikipedia

それでは以下、今回の講演の私なりのかんたんなまとめです。

結論:高齢化社会では性別分業から脱却し、男女とも複数役割を担うべし

「家庭人として生まれ育ち、社会人として終わる」時代は終わった。
高齢化した現代日本では社会人が終わった後も人生が続く。
しかし、現状は「男は仕事」「女は子育て」という過去の考え方のままである。

発達を「SOC理論」に則って「自らの発達を自分でコントロールする=自ら個性を活かした生き方・成長をする」と考えると、男女ともに現状に合った発達が阻害されているために父親の「過労死」「粗大ゴミ」化、母親の「育児不安」などの現象が起こっている。
高齢化社会に適応した発達をするには、将来を見据え、男女ともに社会人としても家庭人としても生きる力が必須である。

したがって性別分業から脱却し、ワーク・ライフ・バランスを整え、家事・育児・仕事など複数役割を担うことで自らを鍛える必要がある。

複数の異質な活動に主体的に関わることが「精神的健康」に寄与することは産業心理学の知見からも明らかである。

例:
・仕事を持っている母親の方が、主婦として子育てに専念している母親より、育児不安が少ない
・仕事・家事・育児を担っている父親の方が、仕事一筋の父親より仕事で感じるストレスが少ない

以上のようなことが、裏付けとなる研究結果や考え方とともに語られました。先生の身近な事例や研究結果をもとに話されていてたいへんわかりやすかったです。
参考文献として下記の書籍が紹介されていましたので、詳しく知りたい方はどうぞ。

(※上記まとめはメモをもとに書いたので、何か違ってたらコメント欄やお問い合わせでお知らせくださいね)

感想

時代が進んだのに考え方は昔のまま、というのは色々な場面で感じていました。
柏木先生のお話でその背景が明確になり、たいへん納得度の高い講演でした。
退職後の人生が数十年あるわけですから、男女ともに将来を見据えて仕事・家事・育児などいろいろな役割を「主体的に」担って自分の生き方を作っていくのが現代的なおとなの発達ではないか。
翻って自分が仕事・家事・育児をバランス良くできているかというと・・・仕事に偏りがち。
過去の反省と今後を考えさせられました。

今回はワーク・ライフ・バランスの話がほぼ夫婦関係を前提としたジェンダーに関わるお話でした。
現実的には性別分業に満足している家庭や、シングルマザーだけど充実した生き方をしている人、独身だけど仕事に生き甲斐を感じて仕事一筋で一生を終える人、とか色々な人がいるでしょう。何らかの障がいがあって1つのことに徹する生き方を選んだ人もいるかもしれません。そういうことを踏まえた上で、柏木先生のお話を今後に生かしていけたらと思います。

おまけ:

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3歳の娘と一緒にメモを取ったり、偉い先生のお話を皆で聞きに来ていることをひそひそと教えているうちに、膝をまくらに寝てしまいました。
3歳でも90分間の講演中静かにしていられるのに感心しました。

西たかお

心理カウンセラー/瞑想ファシリテーター/感情ケアプログラム指導者/キャリアコンサルタント/自分がうつになった経験から心理職の道へ。家庭や育児の悩み、大切な人を亡くした悲しみ、ペットロス、うつ、事故や災害の後のつらい症状、ひきこもり、非行からの立ち直り、人間関係の悩みなど、さまざまな心の痛みと悩みに対処するカウンセリングを行っています。

お父さんも仕事・家事・育児など複数役割を持つとストレスが軽減するというお話−柏木惠子先生の講演会の感想
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