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心理カウンセラーの西です。

毎年自殺で2万人以上が亡くなっています。

自殺が事件になると、
「生命(いのち)の大切さ」が
話題になることがあります。

「生命を大切にしなさい」
「大切な生命を粗末にはするな」

そう言う人は多いかもしれません。

特に学校の先生や校長先生の講話では
そういう内容になることが多いように感じます。

たしかに言っていることは間違っていないし、
生徒を思う気持ちとして正直なところでしょう。

しかし、もし、学校で自殺があったとしても、
ほんとうはそういう話はしない方が良いのです。

なぜなら、

死にたい気持ちを持った人が、
相談できなくなるから

です。

死にたい気持ちは、
ある状況になると勝手に頭に浮かんできます。

うつが重くなると、
症状として死にたい気持ち(希死念慮)が
浮かんでくるものなのです。

でも、死にたい気持ちを持っていたら、
「生命を大切にしなさい」という教えに
反してしまいます。

先生や親に話したら注意されそうです。

死にたい気持ちを持っている私はダメなんだ、
迷惑をかけてしまうんだ・・・

結局、死にたい気持ちを言えず、
苦しさをひとり抱え込んで耐えねばなりません。

最初から自分の生命を大切に思わない人はいないでしょう。
生命が大切だからこそ深く悩むのです。

自殺したくなるのは、
死を選んでいるのではなく、
耐え難い苦しさから逃れるため。

楽になるために、
他に方法が思いつかないくらい、
追い詰められているのです。

生命への思いと、
死の誘惑の間で揺れ動く気持ち。

もし、身近に死にたい気持ちを言ってくれた方がいらっしゃったら、
「死にたい気持ち」を認めてあげてください。

そのうえで、何がどれほど苦しいのか、じっと耳を傾けてあげてください。

とつとつと語られる内容を聴く内に、
「そうか、それだけつらければ、死にたくもなるよね・・・」
とわかるときがくるでしょう。

死にたい気持ちを抱えた人には、
「生命の大切さ」のような正論や励ましではなく、
じっと耳を傾けてくれ、苦しさをわかってくれる仲間が必要なのです。

※実際に「死にたい」と相談されたときは、3時間は腰を据えて聴く覚悟が必要です。
死にたい気持ちを持った人をひとりで抱えるのではなく、
必ず精神科を受診してもらい、その後カウンセラーなどの外部機関などを利用しましょう。

西たかお
心理カウンセラー/瞑想ファシリテーター/感情ケアプログラム指導者/キャリアコンサルタント/自分がうつになった経験から心理職の道へ。家庭や育児の悩み、大切な人を亡くした悲しみ、ペットロス、うつ、事故や災害の後のつらい症状、ひきこもり、非行からの立ち直り、人間関係の悩みなど、さまざまな心の痛みと悩みに対処するカウンセリングを行っています。
死にたい気持ちを持った人に、生命の大切さを説いてはいけない理由
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